フランス近代におけるデッサンの哲学とその近代絵画への影響1852-1914
Project/Area Number |
17K18406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Aesthetics and studies on art
Fine art history
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Research Institution | The National Museum of Modern Art, Tokyo |
Principal Investigator |
横山 由季子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (70793214)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | フランス近代美術 / 装飾 / デッサン / ナビ派 / ボナール / ジャコメッティ / アラベスク / フォルム / 美学 / 美術史学 / フランス近代絵画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、デッサンの哲学と芸術の関係という、造形的要素に立脚した作品研究とは異なるアプローチによって、フランスにおける近代美術における革新性を問い直すことを目的とした。近年再評価が進むナビ派は1888年のパリで結成され、アール・ヌーヴォーが開花した19世紀のパリの雰囲気と呼応するように、装飾的な絵画作品を多く生み出した。19世紀後半から20世紀前半にかけてのフランスにおいて、装飾理論はデッサン理論と密接に結びつき、新たなフォルムを生み出すための基礎と見なされていた。とりわけピエール・ボナールの絵画に特徴的なアラベスクには、それまでの西洋絵画にはない形態・空間把握を見出すことができ、それは晩年にル・カネで制作された作品にも通じていることを検証した。また、20世紀の前半から半ばにかけて活躍した彫刻家ジャコメッティは、デッサンを日課としていたことで知られている。そのデッサンを特徴づける何重にも重ねられた線は、対象を完結したひとつのフォルムとして捉えるのではなく、視線を向けるたびに現れる断片の集合とみなしていたジャコメッティのヴィジョンを示している。デッサンにおけるこの断片性は、絵画や彫刻においても、途切れ途切れの線を集中して重ねた描写や、不規則な凹凸のある表面によって展開される。このようなジャコメッティの作品を通じて、デッサンという媒体そのものが、新たな芸術表現を切り開くことになった過程を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)