Budget Amount *help |
¥10,900,000 (Direct Cost: ¥10,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Research Abstract |
生体防御機構は,発がんした細胞を排除すべく免疫監視に当たっている。しかしながら,がん細胞はImmuno-editingと呼ばれる,巧妙に生体防御系から逃れている。我々は,生体防御の最前線で働くNK細胞,特にNK活性化レセプターNKG2Dに着目し研究を進めてきた。興味深いことに,NKG2Dリガンドは,正常組織ではサイレントであり,発現がみとめられないが,がん細胞,特に悪性度の高い腫瘍には広範にかつ恒常的にNKG2Dリガンドの異常発現が認められる。我々は,発がんによるNKG2Dリガンドの異常発現の分子機構を解明することを目的とし,研究を行った。 我々は,NKG2Dリガンドのがん細胞における発現調節機構を解明するため,プロモーターのクローニングおよびその解析を進めた。RAE-1 d,eを強く発現しているマウス肺がん細胞であるLL/2を用い,mRNAを調整し5'RACE法によりRAE-1 d,eのmRNAの配列を決定した。その結果,NCBIで公開されているdatabaseでは報告されていなかった新規のexonがRAE-1eにおいて存在することが判明した。このmRNA情報をもとに転写開始点を決定し,その上流のプロモーターと思われる領域をクローニングした。RAE-1eのプロモーター解析により,Sp1,NF-kB,AP-1の結合領域が存在することが明らかとなった。さらに,Sp1,NF-kB,AP-1に対するケミカルインヒビターによる解析で,これら転写因子が,肺がん細胞LL/2においてRAE-1eの発現にかかわっており,特にSp1が重要であることが判明した。さらに,siRNAによるSp1のknockdownにより,RAE-1eの発現が抑制された。以上のことより,がん細胞におけるRAE-1 eの発現は,Sp1が重要な転写因子であることが明らかとなった.
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