Budget Amount *help |
¥10,200,000 (Direct Cost: ¥10,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
TEL-AML1融合遺伝子は小児白血病で最も多く見られる異常であり,前駆B細胞性白血病を引き起こす。TEL-AML1融合遺伝子をもつ白血病は,その異常細胞が胎生期に発生することが知られているが,その起源やどのような性質をもつ細胞なのかについては不明であった。今回,ヒト検体を用いた解析やヒト臍帯血由来造血幹細胞に人工的にTEL-AML1融合遺伝子を発現させて解析する方法により,正常にはない特殊な細胞表面形質を有し,自己複製能が亢進した細胞であることを明らかにした。ヒの異常細胞が生後も長く存続し,ここに2次的遺伝子変異が起きて白血病化することが明らかとなった。そこで次にこの2次的遺伝子異常を明らかにするためにアレイCGH解析により臨床検体を解析すると,全例でTEL-AML1融合遺伝子以外に少なくとも2つの異常が見出された。とくに多い異常は正常アレルのTELの欠失と細胞増殖抑制遺伝子であるBTG1やp16Ink4a/p14Arfの欠失であった。TEL-AML1細胞株であるReh細胞にTELやBTG1,p16/Arfを発現させると増殖抑制がみられたことから,これら遺伝子の欠失は腫瘍化に重要である可能性が示唆された。そこで,TEL-AML1を発現させ,かつTELの発現をsiRNAによって抑制するデュアル発現系を用いて,1次異常と2次異常を重ね合わせた場合の細胞変化を検討した。その結果,TEL-AML1単独の場合に比べてB細胞の分化がより完全に阻害されることを見出した。現在,増殖能への影響を解析中である。
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