ドッキング・サイトを介したMAPK経路の特異性維持機構と癌におけるその異常
Project/Area Number |
18013011
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 睦寛 The University of Tokyo, 医科学研究所, 准教授 (30322332)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥13,400,000 (Direct Cost: ¥13,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
|
Keywords | MAPキナーゼ / シグナル伝達 / MAPK / 癌 |
Research Abstract |
哺乳類細胞には、細胞増殖に作用するERKとストレス応答に関与するp38/JNKという少なくとも3種類のMAPKカスケードが存在するが、これら複数のMAPK経路間でシグナルの誤った混線は起こらない。細胞増殖と死の制御に重要な機能を持つMAPK経路が如何にして誤ったシグナル伝達を回避し、正確な情報伝達を可能にしているかを明らかにすることは、発癌制御の観点からも極めて重要である。本研究においては、MAPKKK-MAPKK分子間の特異的結合を規定し、MAPK経路の正確なシグナル伝達を可能にする未知分子機構の解明を行った。その結果我々は、全てのMAPKK分子のC末端非酵素領域に、対応する上流のMAPKKK分子との選択的結合を規定する新規ドッキング・サイト(DVDサイト)が存在することを見出し、さらに、このDVDサイトがMAPK経路のシグナル特異性維持のみならず、MAPKKKからMAPKKへの効率的シグナル伝達にも必須であることを明らかにした。また、DVDサイトの機能を人工的に阻害することにより、MAPKKの活性化を選択的に抑制し得ることを示した,次に我々は、一部のMAPKK分子が、下流のMAPKによって刺激依存的にリン酸化されること見出し、さらに、この様なフィードバック・リン酸化によってDVDサイトの機能が阻害されてMAPK経路の活性化が抑制されることを明らかにした。 以上の結果から、ドッキング・サイトを介した各キナーゼ分子間の相互作用が、MAPK経路のシグナル特性維持、および活性制御に極めて重要な役割を果たすことが明らかとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)