膜型マトリックスメタロプロテアーゼ-1によるがん浸潤性増殖制御機構の解析
Project/Area Number |
18013023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 博 Kanazawa University, がん研究所, 教授 (00115239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮森 久志 金沢大学, がん研究所, 助手 (30345631)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥13,600,000 (Direct Cost: ¥13,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
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Keywords | MT1-MMP / MMP-2 / 細胞外マトリックス / TIMP-2 / 細胞接着斑 / FAK / ERK / 細胞運動 / インテグリン / MAPK |
Research Abstract |
細胞のコラーゲンなど細胞外マトリックス中での増殖には膜型マトリックスメタロプロテアーゼMT1-MMPが必須である。MT1-MMPはMMP-2の活性化と共にコラーゲンなどの細胞外マトリックス成分を直接切断するが、その活性制御の機構は不明であった。本研究ではMMP阻害因子TIMP-2の濃度により両活性が完全に選択されることを見出した。すなわちMMP-2活性化には低濃度のTIMP-2が必要であるが、その条件下ではMT1-MMPは直接的な切断活性を示さない。すなわちMT1-MMPの大半がTIMP-2と複合体を形成し、不活性化されていた。MT1-MMPによる細胞外マトリックス成分の直接的な切断は細胞増殖に必須であるが、MMP-2の活性化はプロテアーゼ活性全体を著しく亢進し、細胞外マトリックスの顕著な破壊とさらなる浸潤性増殖が起こることを実験的に証明した。すなわち、正常上皮細胞などによる形態形成にはMT1-MMPによる制御された細胞外マトリックスの分解が、がん細胞による組織破壊を伴う浸潤性の増殖にはMMP-2活性化が主に関わることが示唆された。 また、細胞外基質上での細胞運動におけるMT1-MMPの役割を検討した。MT1-MMPによる細胞接着斑での細胞外基質分解は、細胞接着斑のターンオーバーを促進した結果、Focal Adhesion Kinase (FAK)、Extracellular Signal-Regulated Kinase (ERK)を介したシグナル伝達を亢進する明らかにした。すなわち細胞接着斑におけるMT1-MMP活性が、シグナル伝達および細胞運動に重要であることから、MT1-MMP阻害分子をFAXの細胞質ドメインと融合させ細胞接着斑にターゲットすることにより効率よくERKシグナルを阻害し、細胞運動を抑制することに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)