ゲノムインバランス解析と網羅的遺伝子発現解析の統合による肺がんの個別化
Project/Area Number |
18014027
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
石川 雄一 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所・病理部, 部長 (80222975)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
|
Keywords | 肺癌 / ゲノム異常 / アレイ技術 / ゲノム欠失 / ゲノム増幅 / 悪性中皮種 / 癌 / マイクロアレイ / 個別化医療 / アレル量 |
Research Abstract |
肺癌をはじめとする固形腫瘍においては、ゲノムはしばしば複雑な異常を認める。またこうした腫瘍の臨床材料では、高精度な細胞遺伝学的な解析が一般に困難であることから、臨床癌ではゲノム異常の詳細はなお不明である。本研究では、近年開発された高密度SNPアレイを用いて、肺癌ゲノムに生ずる異常を高解像度かつ網羅的に解析することにより、肺癌で共通に認めるゲノム変異を探索し、それらの遺伝子標的を同定することにより、肺癌の発症メカニズムの解明と、新たな分子標的薬剤・分子診断技術のターゲットとなる遺伝子異常の同定を試みている。研究はまだ終了していないが、平成18-19年度の2年間で、150例の肺癌および15例の悪性中皮腫の試料について、Affymetrix GeneChip 250K Nspアレイによる解析を行い、東京大学の小川らにより開発されたCNAG/AsCNARアルゴリズムを用いて解析した。これらの肺癌検体はしばしば高度の正常細胞の混入をみとめ、また自己正常DNAを得ることができなかったが、CANG/AsCNARを用いた解析では、自己正常DNAを用いることなく、高度の正常細胞の混入を認める試料についても、高感度かつ高解像度にゲノムコピー数異常・アレル不均衡の網羅的な解析が可能であった。予測されたとおり、肺癌ゲノムはしばしば複雑なゲノム異常を呈したが、これら150例の解析において、肺癌はそのゲノム異常のパターンから共通するいくつかのサブタイプに分類することが可能であった。ゲノムの高度増幅、ホモ接合性欠失とともに、従来のマイクロサテライト解析等では検出不可能と思われるLOHが同定され、また、異なる症例で共通して認められる異常も複数同定された。また悪性中皮腫においても、既報告のものの他に、新たな増幅部位も確認された。これらの領域については、肺癌と悪性中皮腫の発症に関わる遺伝子が存在することが予測されことから、現在、異常の標的となる遺伝子の探索を進めている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)