分化した集団間の比較ゲノム機能解析によるショウジョウバエ種多様化メカニズムの解明
Project/Area Number |
18017024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
高橋 文 National Institute of Genetics, 集団遺伝研究系, 助教 (90370121)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 集団 / 交尾行動 / ショウジョウバエ / ゲノム / 遣伝子マッピング / 種分化 / RNAi / 多型 / 遺伝子マッピング |
Research Abstract |
本研究では、分化の進んだ西アフリカ産のMEL6系統と台湾産のTW1系統についてゲノムがどのように変化しているかを探ることで、種が多様化していくメカニズムを解明することが大きな目的である。また、これら分化の進んだ二つの系統の特徴的な表現型の違いを体系的にゲノム上の違いとしてマッピングしていくため、複数形質のマッピングに用いることができる多数の組み換え体パネルを準備し、ゲノムレベルでの遺伝子マッピングを行うことにより原因遺伝子を特定することを目標として行った。 本研究では特徴的な形質の1つである胸部クチクラのpigmentationパターンについて上記マッピングにより原因遺伝子ebonyを特定することができた。また、西表集団を利用した種内のゲノム比較により、原因サイトを遺伝子上流領域の一部(約150bp)にしぼることができた。この形質は、交尾相手選好性にも関与しているため、表皮細胞及び神経系の両方で多面発現が見られる遺伝子が原因遺伝子として同定されたことは、種分化のポテンシャルを考える上で大変インパクトのある成果であった。 また、雄の交尾相手選好性については、ビデオ撮影装置による行動観察方法を確立したことにより肉眼での観察ではわからなかった交尾前0.5秒以内の雌雄の距離に違いがあることがわかった。このような詳細な交尾行動の変異が報告されたことがなく今後の展開が期待される成果であった。この表現型の違いについても上記組み換え体を用いたマッピングを進め、第3染色体の右腕先端部にこの形質を制御する領域があることがわかった。このように、本研究の成果により、分化した集団を用いた上記の機能ゲノム的アプローチが、種多様化メカニズムの解析に対し有効な方法であることを示すことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)