Budget Amount *help |
¥7,400,000 (Direct Cost: ¥7,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Research Abstract |
1、カノニカルWntリガンドであるマウスWnt8Aとその拮抗因子であるDkk1を過剰に発現したマウス胚の表現型を解析した。これらのトランスジェニックマウスでは,原条形成以前に前後軸形成に異常がみとめられることを報告していた。今回,前脳形成過程に顕著な異常が観察された。具体的には,Dkk1遺伝子を過剰に発現させると前脳領域が拡大し,Wht8Aを過剰を発現させると逆に縮小していた。前後軸に沿った神経上皮マーカーを用いて解析したところ,BF1やSix3などの前脳特有な発現が,Dkk1発現マウスでは拡大し,Wht8A発現マウスでは縮小していた。これらの結果は,他の脊椎動物で示されてきたカノニカルWntシグナルの抑制が前脳領域の形成に関与するというモデルとよく一致し,進化的にも保存された機構であることが示唆される。2、現在までに,Otx2遺伝子の臓側内胚葉における発現を支配するフグゲノム断片がゼブラフィシュ胚においてどのような機能を担っているか検討するため,トランスジェニックゼブラフィシュを作製している。レポーター遺伝子の発現を,0tx1,2,3などの内在性の遺伝子発現と比較したところ,フグゲノム断片によって支配されたレポーター発現は,0tx遺伝子群の発現ドメイン内に含まれていること,更に,内在性のDkk1遣伝子の発現と極めて類似していることが分かった。この結果は,小型魚類においてもカノニカルWntシグナルが関与する前後軸決定機構が,シス配列のレベルで,更には転写因子のレベルで保存されている可能性を示唆している。
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