Research Abstract |
昨年度までに作製したM.pneumoniae M129株の全ORFクローンコレクションを利用して,個々のORF産物の細胞内局在解析を続けた。以前から知られていた接着器官構成成分7種[MPN141(P1),MPN309(P65),MPN310(HMW2),MPN447(HMW1),MPN452(HMW3),MPN453(P30),MPN567(P200)]に加えて,これまで11種のORF産物[MPN001,MPN022,MPN065,MPN092,MPN117,MPN295,MPN311,MPN312,MPN321,MPN387,MPN688]が接着器官部分,または細胞の尾部に局在するのが観察されている。このうちMPN092,117,295,311,309,387,474,688は界面活性剤Triton X-100に不溶な画分に含まれるタンパク質で,細胞骨格の構成成分である可能性が高い。また,MPN022,065,321は代謝酵素のホモログ,MPN001,688はそれぞれDnaN,Sojタンパク質のホモログであった。これらの細胞内局在を電子顕微鏡によって高解像度に観察する試みも行った。電顕によるORF産物の局在観察を行うために,M.pneumoniae細胞を0.1%のTriton X-100でおだやかに処理し,細胞骨格構造(Rod部分)を露出させる条件検討を行った。また,電顕画像を平均化することによって,より解像度の高い像が取得できるようになった。電顕によるORF産物の局在観察は,免疫電顕法によって行った。本年度はMPN447(HMW1),452(HMW3),309(P65),312(P24)タンパク質にこの方法を適用し,これらのタンパク質がRod構造の先端からP65,HMW3,HMW1,P24の順で存在しているのを明確に観察した。
|