Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
視覚刺激に含まれる意味を読み取ることは,ヒトを含めた動物にとって生存に重要な能力である。サルを用いた破壊実験から,視覚刺激と行動の結果(報酬)の連合学習には,側頭連合野(内嗅・傍嗅皮質),特にそのドーパミンのD2受容体が正常に機能することが必須であることが知られている(Liu, et. al.,2000,2004)。一方,単一ニューロン活動の記録実験から(Liu and Richmond,2000),報酬スケジュール課題の遂行において,傍嗅皮質とTE野の役割が異なることが示唆されている。 本研究課題では,マカクザルを対象にして,1)下側頭皮質を中心とした視覚刺激と報酬の連合学習の神経回路,そして2)学習に関わる情報処理を明らかにすることを目的とする。 本年度は,D1受容体あるいはD2受容体のmRNAの分布をin situハイブリダイゼーション法により調べた(基礎生物学研究所・山森教授,高畑研究員との共同利用研究)。その結果,蛋白質の分布と同様に,D2受容体のmRNAの発現強度は内嗅・傍嗅皮質のほうがTE野に比べて強いことを確認した。さらに,D1受容体とD2受容体のmRNAの発現が,細胞層により異なることが分かった。D2受容体mRNAをIIからVI層までの細胞が一様に発現するのに対し,D1受容体はII,III(浅),V,VI層の細胞が発現していた。D2受容体は様々な段階の情報処理を,D1受容体は主にフィードバックとして受け取る情報の処理を調整している可能性が考えられる。
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