Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
刺激をカテゴリ的に認識し、それを基に推論を行う「カテゴリ推論課題」を遂行中に、前頭連合野背外側部(DLPFC)および前頭眼窩部(OFC)から単一ニューロン活動の記録を行った。現在までに記録したニューロンの数はまだ少ないが、その結果の概要は以下の通りである。DLPFCおよびOFCの、いずれの領域からも、視覚刺激に反応するニューロンが記録された。それらの多くのニューロンは、刺激の意味(刺激がジュースを予告しているか、あるいは、食塩水を予告しているか)に基づいて異なる反応をしていた。そのようなニューロンについて、活動を記録しながら、刺激と報酬の関係を逆転させると、DLPFCとOFCのニューロンの間に、大きな性質の違いがあることがわかった。すなわち、DLPFCのニューロンは、逆転後の第一試行で刺激と報酬の関係が逆転したことにサルが気づき、その次の試行から行動を逆転させるのに対応して、刺激選択性をただちに逆転させた。一方、OFCのニューロンは、刺激と報酬の関係が逆転してサルの行動が逆転した後も、すぐには刺激選択性を逆転させず、刺激選択性が逆転するのに1ブロックないし数ブロックかかるものが大部分であった。また、新規刺激群を導入した場合には、DLPFCのニューロンは、刺激に対するサルの行動が分化するのに伴って、ただちに刺激選択性を示すようになったのに対して、OFCのニューロンは、サルの行動が分化したのちもしばらくの間は、刺激に対して選択性を示ざず、意味に基づいた選択的反応が形成されるまで多くの試行数を要した。以上の結果から、DLPFCは、カテゴリを基にした推論過程に主導的な役割を担っていること、一方で、OFCは、経験に基づいて個別の刺激とその機能的意味(報酬)の連合を形成することに関与していることが示唆された。
All 2008 2007 Other
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (16 results) Remarks (1 results)
European Journal of Neuroscience 27
Pages: 1547-1552
European Journal of Neuroscience 25
Pages: 2523-2535
Neuroscience Research 57
Pages: 579-586
10024414145
Journal of Neurophysiology 97
Pages: 670-679
http://ja.sendaibrain.org/kyoten/tsutsui.html