桃体機能、情動の制御に関わる新規神経ペプチドの検索とその生理作用の解明
Project/Area Number |
18020006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桜井 武 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60251055)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 情動 / 社会行動 / GPR7 / GPR8 / NPB / NPW / 自律神経応答 / ストレス / 扁桃体 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
われわれは、オーファン受容体GPR7の内因性リガンドとしてNPBとNPWを同定したが、その生理的役割には不明な点が多い。GPR7は大脳辺縁系に発現しており、情動やストレスとの関連が示唆される。そこでGPR7欠損マウスをもちいて、行動テストバッテリーにより異常な表現型を検索した。その結果、GPR7欠損マウスは音によるキューによる恐怖条件付けは正常であったが、文脈による恐怖条件付けに欠損がみられ、またラジオテレメトリーをもちいたresident-intruder試験によって、社会接触にともなう行動および自律神経系の応答が有意に強く、かつ遷延して起こることが明らかになった。また組織学的検討により、GPR7は扁桃体中心核および分界条床核に局在するCRHニューロンに発現していることが明らかになった。このことから、GPR7はCRHニューロンの機能を調整することにより、恐怖等の情動を制御していることが示唆された。さらに、ヒトのGPR7遺伝子およびそのオルソログであるGPR8遺伝子の多型を検索し、それぞれひとつずつ、アミノ酸の置換を伴う一塩基多型を見出した。これらの多型をもつGPR7とGPR8を培養細胞に発現させ、NPWを作用させたところ、通常のGPR7や8で見られるcAMPレベルの低下が観察されなかった。このことから、これらの多型は機能低下を伴っていると考えられる。これらの多型をもつ遺伝子をヘテロで有する個人は、それぞれ8%および10%程度存在していることが明らかになった。現在、これらの多型を持つ個人の性格傾向や、表情認知時の扁桃体の活性化をfMRIを用いて検討している。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)