Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
選択的注意の成立機序を脳領域間の動的な相互作用の面から明らかにした。正常人被験者を対象として顔画像とサイン波のノイズパターンが重なった画像を標的刺激として、顔の性別判断、あるいはノイズパターンの動く方向を判断する課題を用いた。標的刺激提示前にキューを提示することによって試行ごとに行うべき課題の種類を指示した。前頭眼野に磁気刺激(TMS)を行い、これによって誘発された電位変化が脳表上を伝播するパターンを解析した。磁気刺激誘発脳電位は、被験者が視覚刺激のどの次元に注意を向けているかによって異なった伝播パターンを示した。皮質電位源解析を行ったところTMS 20-40 ms後の誘発性電位変化は、動き弁別課題を行っている際には視覚運動情報を処理する領域に、顔弁別課題を行っている際には視覚的顔情報を処理する領域に認められた。TMSにより誘発された脳電位変化は被験者の行おうとしている課題特異的な空間パターンを示したことから、脳領域間の機能的結合関係に基づくものであると考えた。さらに前頭葉に限局した病巣をもつ患者を対象として機能的MRIを用いた脳活動計測実験を行い、後方連合領域の課題特異的活動は損なわれないものの、後方領域間の活動の同期性が健常人に比して低下していることを明らかにした。前頭葉からの信号は後方領域の機能的結合を課題特異的に制御していることが推察された。
All 2007 2006
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
Journal of Neuroscience 27
Pages: 13303-13310
Current Biology 17
Pages: 323-328
Neuron 52
Pages: 557-564