神経細胞集団による情報処理と行動選択の計算論的研究
Project/Area Number |
18020034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中原 裕之 The Institute of Physical and Chemical Research, 理論統合脳科学研究チーム, チームリーダー (10312282)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | 神経科学 / 数理工学 / 統計数学 / 情報工学 / 人工知能 |
Research Abstract |
2年間に渡る第二年度の研究として、神経細胞集団による情報処理、特に意思決定/運動制御に至るまでの行動選択の過程の計算論的解明を目指した。理論的蓄積、特に実験と共同した理論研究の蓄積は、この課題解明には必要不可欠である。本研究では、(I):多電極同時記録からの細胞集団の相互結合の推定、(II):細胞集団活動の相互作用に基づく意思決定と運動制御の解明の二つが目的であった。(I)では、vitroデータでの神経回路網の解析の結果をまとめ学会発表するにいたった。時系列解析手法をpreprocessingに用いて、そこから得られた細胞集団のクラスターがほとんどの相互作用の情報を持っていることを確かめた。(II)では、大脳基底核における並行回路がどのようにその機能を分化させるかということについて、各知覚情報の潜時の違いに着目した。モデル構築そしてシミュレーション研究を通じて、その潜時の違いが自動的に機能分化にいたることを実証した。また、行動選択・運動制御を調べるために、それ以前に行われた行動を観察することで次に起きる行動がどれくらい予測できるかを調べる予備研究を行った。幸いこれらの研究は既に論文発表できている。今後の展開としては(I)と(II)を統合すべく、多電極同時記録の脳活動を行動と対応づける実験と数理の共同研究を進め、その成果につき発表を行うこととなる。また、これまでに、これらの研究のフィードバックをうけて報酬獲得と行動選択のための数理モデルがほぼ構築している。今後は、学会発表を行いその成果を明らかにする。また、一般社会に研究をフィードバックする試みとして一般図書への執筆も行い、幸い好評を得ている。最後に、本研究は、申請者一人が推進する研究であり、本研究費により、数理計算のハード/ソフトの諸費用、マンパワーとしての研究補助などが得られていて、非常に有効に機能していることを述べておきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)