ナノプローブを用いた神経細胞の信号測定-任意の部位からの電位測定システムの開発-
Project/Area Number |
18021024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宋 文杰 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90216573)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥7,300,000 (Direct Cost: ¥7,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
現在、神経細胞の電気信号を計る最も直接的な方法はガラス微小電極を用いる方法であるが、これでは細胞体からの記録に限られる。しかし、神経細胞の主な入力を受ける部位は樹状突起で、そこでの信号を計ることが重要である。本研究では、カーボンナノチューブをベースにしたナノプローブを開発し、膜電位を神経細胞の任意の部位から計測できる方法を開発することを研究目的とした。これを達成させるために、タングステン線または白金イリジューム線を電気研磨によって先端の曲率半径を数十nmにし(以下金属電極と呼ぶ)、その先端にカーボンナノチューブをつけた。細胞内に刺入できるように、カーボンナノチューブの長さをマイクロメートルオーダにすることができた。ナノチューブ部の電気伝導性、およびナノチューブ部と金属電極との接合強度を向上させるために、タングステン皮膜蒸着した。膜電位を計測できるようにするために、酸化シリコンでプローブ全体を皮膜し、そして、先端部分を数十から数百ナノメートルのみ絶縁皮膜を除去することに成功した。しかし、これを膜電位計測に用いたところ、プローブの電気容量が許容範囲以上に大きいことが分かった。また、先端部分を露出させなくても、絶縁抵抗が不十分であることも判明した。これらの問題を解決するために、金属電極部の絶縁コーティングを酸化シリコン皮膜の替わりに、フッ素樹脂レジスト剤やカシュー樹脂、ガラスコーティングを試み、ピコファラデーオーダの電気容量とギガオームオーダの絶縁抵抗が得られた。今後、ガラスコーティングした金属電極の先端部分にナノチューブをつけ、局所的に金属皮膜蒸着することができれば、神経細胞から信号計測できるプローブの完成が期待できる。なお、本研究の成果は研究協力者の本多信一博士(大阪大学大学院工学研究科)の協力のもとで達成されたものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)