Project/Area Number |
18022032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森 望 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00130394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 博史 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00345795)
山口 陽子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 客員研究員 (50311345)
秋野 公造 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (60284668)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥7,900,000 (Direct Cost: ¥7,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | リン酸化チロシンアダプター / Shc / 海馬 / 樹状突起 / アクチン / シナプス / 可塑性 / スパイン / リン酸化チロシンアダプター蛋白質 / N-Shc / 樹状突起スパイン / 細胞骨格制御 / Grit / Homer |
Research Abstract |
脳海馬における記憶学習成立の基本的な分子機構として、グルタミン酸系神経の活性化応答におけるポストシナプスでのスパイン形態変化が知られている。本研究では、受容体型チロシンキナーゼのシグナル応答に関わる神経特異的ホスホチロシンアダプターN-Shc/ShcCが、NMDA受容体刺激後のアクチン骨格再編成へ寄与するメカニズムをスパイン裏打ちタンパク質であるHomerとの機能連関の有無を含めて明らかにすることを目的とした。前年度では、初代培養系海馬神経細胞へ種々のN-Shc/ShcCのリン酸化チロシン部位変異体を遺伝子導入し、その結果からN-Shc下流のRhoシグナルカスケードを遮断することによりスパイン数が顕著に減少することを見出した。本年度は、N-Shcの発現の有無によってin vivoでも海馬神経の樹状突起スパインの形態が変わるかどうかを調べる目的でN-Shcノックアウト(KO)マウスの、スパイン形態を野生株(C57/BL)と比較した。 N-Shc KOマウス由来の初代培養系海馬神経細胞では、スパイン数が有意に増加していた。そこにN-Shcを強制発現させるとスパイン密度は野生型と同様な水準にまで回復した。一方、脳海馬切片スライスに遺伝子銃を用いて蛍光色素DiIを導入し、スパイン形態を調べたところ、初代培養系と同様にN-Shc KOマウスKOスパイン数が増加していた。以前、我々は、動物行動学的及び電気生理学的手法を用いて、KOマウスでの記憶・学習およびLTPの亢進を見ており、その一因がスパイン形態の変化にも起因することが推定された。さらに、N-Shcとアクチン骨格再編成とをつなげる分子としHomerに注目しているが、N-Shcとの相互作用する分子として、p250-RhoGAP/Grit/RICS分子がHomerとも相互作用することを、免疫沈降実験から確かめられた。 従ってNMDA受容体-N-Shc-Grit-Homerという分子群の相互作用を通して、アクチン骨格再編成・スパイン形態変化を誘起し、神経機能を制御している分子機構の存在が想定された。
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