Budget Amount *help |
¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Research Abstract |
アクチビンの機能改変動物を作成しその行動解析を行うことで,アクチビンが記憶の形成や保持に果たす役割を調べた。学習課題として文脈依存的恐怖条件付けを用いて,脳のアクチビン機能が恐怖記憶の固定化に必要であることを明らかにした。さらに,恐怖記憶の再固定化・消去過程における前脳のアクチビン機能を検討した。Tet-OFF systemを利用して,アクチビン阻害タンパク質ラォリスタチン(fol)の発現を前脳特異的にDOX で ON/OFF 制御できるtransgenic miceを作成した。Fol/OFFで条件付けを行うと,恐怖記憶は正常に形成され1週間以上保持された。この条件で記憶を形成させたあと,fal/ON、すなわち前脳のアクチビン機能が阻害された状態で恐怖記憶を想起させると,その後の恐怖記憶の抑制が観察された。このことは,想起時にアクチビン機能を阻害することで一度形成された恐怖記憶が抑制できる事を示しており,恐怖記憶の再固定化にアクチビンが重要な働きをしていることを示唆している。 以上の結果は,恐怖記憶の想起時に前脳のアクチビン機能を阻害すると,一旦強固に形成された恐怖記憶を減弱させることができる事を示唆している。トラウマ体験により引き起こされるPTSDを始めとする精神疾患の根本的な新規治療法への展開が期待される。
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