Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
アルツハイマー病(AD)は老人性認知症のうち、最も患者数の多い疾患であり、脳内老人斑の形成を病理特徴とする。老人斑の主成分はβ-アミロイド(Aβ)であり、Aβの生成と凝集がADの発症原因として有力視されている。Aβは前駆体タンパクAP細胞内代謝により生成するため、 APPの細胞内代謝機構を解明することは、Aβ産生を抑制する創薬ターゲットを開発する上で重要である。また、有効な治療を行うためには患者の早期発見は不可欠であるが、簡便かつ有効な診断法は現在まで実用化されていない。本研究では、APPと協調的な代謝を行う膜タンパク質Alcadein(Alc)およびAPPとAlcを細胞内で相互作用させるアダプター分子X11Lに着目し、APPに由来するAβ生成機構の解明と病態マーカーを用いた生化学的な診断法の開発に取り組む。ADAM10およびADAM17を欠失したMEF細胞ではAlcの一次切断が起こらないことを見いだした。従って、Alcは、APPα-セクレターゼによる細胞外切断を受ける。この切断に続いて、Alcはγ-セクレターゼによる膜内切断をうけ、APPのp3に相当するペプチドβ-Alcを分泌した。β-Alcに対する特異抗体を作成し、細胞から改修したβ-AlcをMALDI TOF/MS解析およびMS/MS解析により全一次構造を決定した。ヒト脳脊髄液(CSF)中にも同じ配列のβ-Alcが分泌されていることを測定した。γセクレターゼの触媒ユニットであるPS1の家族性変異を発現する細胞では、Alcの膜内切断にゆらぎが生じ、APPの病的切断との類似性を示した。β-Alcの量的・質的変化がAD発症と関わっているかどうかを、患者CSF中のβ-Alcを解析することで検証している。
All 2008 2007 2006
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (18 results) Book (4 results)
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10018844146