パーキンソン病におけるパエル受容体の病態的役割の解明
Project/Area Number |
18023020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 良輔 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (90216771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 鋭 財団法人田附興風会, 医学研究所・第4研究部, 主任研究員 (70303815)
王 華芹 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50391884)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥8,600,000 (Direct Cost: ¥8,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | Pael-R / Parkin / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 小胞体ストレス / ドーパミン / BiP / CHOP / AR-JP / ユビキチンリガーゼ / トランスジェニックマス / ドパミン / ミトコンドリア / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
AR-JPモデルマウスを作出する目的でニューロン特異的なプロモーター(PrionおよびPDGFプロモーター)を用いてPael-Rトランスジェニックマウス(Pael-R Tg)を作製した。Pael-R Tgでは軽度ながら、12ヶ月から選択的に黒質ドーパミンニューロンの脱落が認められた。この結果を踏まえ、今年度はPael-R-TgにParKin-KOマウスを掛け合わせた二重変異マウス(Pael-R-Tg/Parkin-KO)を作成した。二重変異マウスでは生後6ケ月から黒質および青斑核に細胞脱落が観察されはじめて徐々に進行し、24ヶ月ではヘテロ接合型マウスでは20%、ホモ接合型マウスでは40%の細胞死が観察された。これらの変化はカテコールアミン作動性ニューロンに特異的であり、海馬のニューロンには細胞死がみられなかった。また、黒質では小胞体シャペロンBiP、転写因子CHOP、スプライス型のXBP-1、活性化型カスパーゼ12のmRNA、蛋白質レベルでの増加が観察され、これらが黒質ではドーパミンニューロンでの変化を主として反映していることが免疫組織学的に確かめられた。さらに18ヶ月齢からは、ミトコンドリアの複合体Iの活性が特異的に低下することも見出した。酸化的ストレスのマーカーとなるカルボニル化蛋白質の量は大脳皮質では増えず、変性の生じる黒質で顕著に認められた。また線条体のドーパミン量は6ヶ月齢では増えるが、その後はドーパミン細胞死に相関して減少に転じた。このマウスではPael-Rの蓄積による小胞体ストレスによりカテコールアミン特異的細胞死が誘発され、その過程でドーパミンやミトコンドリアの活性低下による酸化的ストレスによって変性が加速するメカニズムが推測される。以上よりこの二重変異マウス(Pael-R-Tg/Parkin-KO)はAR-JPのはじめてのよいモデルになるものと思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(28 results)