Budget Amount *help |
¥8,600,000 (Direct Cost: ¥8,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Research Abstract |
研究目的:2年間の目標は,(1)ApoEやABCA1等によって担われる脳内コレステロール代謝の主要経路の解明とHDL産生におけるApoEアイソフォーム依存性の分子機構の解明(細胞外ApoE作用),(2)ApoEあるいはABCA1の機能制御による脳内コレステロール代謝調節を通してのアルツハイマー病病理発現の抑制法の開発,(3)細胞内ApoE輸送機構ならびに細胞内ApoE機能の解明(細胞内ApoE作用)である。 研究成果:(1):(i)ApoEによるコレステロール搬出はN末端断片のみでApoE3>ApoE4であること,(ii)その理由はApoE3N末端断片が持つシステイン問によるdisulfide結合による2量体形成(分子間相互作用)にあること,(iii)C末端断片はそれ自体ではコレステロール搬出能が弱いが,N末端断片の作用を相加的に修飾すること,(iv)しかしApoE4では,ドメイン相互作用のためC末端断片が相加的に働かない(分子内相互作用)こと等を明らかにし,ApoEアイソフォーム特異的HDL産生機構のほぼ全容を解明した。(2)薬剤スクリーニング系を確立し,複数の薬剤ライブラリーを用いて探索を開始した。(3)ApoEに結合しうる蛋白質を複数(UQCRC2,Chytochrome C1,COXIV-1など)同定し,それらの多くがミトコンドリア関連蛋白質であることを明らかにした。神経培養細胞にApoE4およびApoE4断片(1-272)を発現させ,ミトコンドリアを調整し,呼吸酵素複合体の活性を測定したところ,呼吸酵素複合体III,IVの機能がApoE4断片存在下では低下することを見出した。このことから,呼吸酵素複合体III,IVのサブユニットであるUQCRC2,Chytochrome C1,COXIV-1にApoE4断片が結合することにより,これらの蛋白質機能が低下し,ミトコンドリア複合体の機能低下を引き起こすと考えられた。
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