圧力下における有機超伝導体の単結晶角度回転13C-NMR
Project/Area Number |
18028001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 充司 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (60251691)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 有機超伝導体 / 高圧 / 13C-NMR / 角度回転 / ^<13>C / 圧力 / NMR |
Research Abstract |
β'-(BEDT-TTF)ICl_2の超微細結合テンソルと反強磁性モーメントの決定 昨年度よりβ'-(BEDT-TTF)塩の圧力下13C-NMRを精力的に行っていた。圧力下超伝導体塩であるβ'-(BEDT-TTF)_2ICl_2の反強磁性相の構造の決定は、その圧力下超伝導のメカニズムを議論する上で重要である。反強磁性相の重要なパラメータである交番磁化の決定には、超微細結合テンソルの非対角項が必要なる。そのため、角度回転NMRによりそれぞれの角度でスペクトルの温度変化を測定しK-xプロットをし、その3軸での角度依存性を決定することにより完全な超微細結合テンソルを決定した。このテンソルを用いて反強磁性相での交番磁化が、ほぼBEDT-TTF二量体あたり1μBであることがわかり、常圧では、Mott絶縁体であることが明らかになった。また加圧下の反強磁性相は、NMRのスペクトルの構造が変化していること、常磁性相でのキュリー定数の値が減少していること、転移温度が圧力とともに上昇することが圧力下13C-NMRによりわかった。これらの現象は、Mott絶縁体描像、バンド描像のどちらの立場にたっても完全に説明することはできないことより今後のこの圧力下状態に対する理論的な発展が待たれるところである。また類縁物質であるβ'-(BEDT-TTF)(TCNQ)のの電荷移動量について知見をえるために分子科学研究所の薬師グループとの共同研究で、赤外スペクトルを測定し、電荷移動量が0.5でありTCNQがMott dimer絶縁体であるこを示した。さらに単結晶13C-NMRの圧力変化の測定も行いこの物質が圧力下で金属化するが超伝導を示さない要因としてNMRシフトの異常よりTCNQとの交換相互作用の存在を明らかにし、圧力下磁場有機超伝導の可能性を提示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)