分子性導体での異方的超伝導と量子相転移の最適化変分モンテカルロ法による研究
Project/Area Number |
18028005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 寿敏 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (60212304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 由喜夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40212039)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | モット転移 / ダブロン-ホロン相関 / 反強磁性 / d波 / ハバードモデル / κ-ET塩 / 三角格子 / 変分モンテカルロ法 / ダブロンーホロン相関 |
Research Abstract |
分子性結晶物質のκ-ET塩は、狭バンドで相対的に電子相関が強く、反強磁性秩序、モット転移、異方的超伝導といった強相関系で起こる様々な現象が見られる。この物質は異方的三角格子上の単バンドハーフフィリングのハバード模型で、電子的性質がうまく記述できると考えられ、置換基や圧力を変えることで、異方性パラメーターt'やバンド幅(相関強度)U/tを変えられる。最近、等方性のよい化合物で非磁性の超伝導・絶縁体転移が見出されて話題になっている。 本研究では上記モデルに対し、あらゆる相関強度で局所相関効果を厳密に扱うことが可能な変分モンテカルロ法を用いて、基底状態の様々な性質を議論し、このモデルとET塩の物理を総合的に考える。初年度ほ、d波一重項状態の性質を中心に考えた。変分試行関数としてd波対称性のBCS関数に同一サイト相関因子とダブロン-ホロン間の束縛因子を取り入れて計算を行った。後者を導入することにより、非磁性状態で定性的に正しいモット転移の記述ができた。一方、反強磁性は独立な波動関数を用いて考えた。これらの成果を基に、2年目はd波一重項と反強磁性長距離秩序を同時に取り込み、さらに相互作用によるバンドくり込みの効果を直接扱える波動関数と、等方的パラメーター領域で優位性が高い120度スピン構造をもった反強磁性状態の計算をそれぞれ行った。その結果、大きなU/t(>8)のときt'/tがかなり大きな値(〜0.9)まで、通常の反強磁性秩序相が占め、等方点(t'/t=1)近傍からt'/tが1.6程度までは120度反強磁性状態が安定化することが判った。一軸的対称性を好む時間反転対称性の破れたd+d波やd+id波の一重項状態は、さらに対角方向にホッピングが強い場合に現れることが判った。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)