Project/Area Number |
18028011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
黒木 和彦 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (10242091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 慶忠 神奈川大学, 工学部, 特別助手 (90360213)
有田 亮太郎 理化学研究所, 古崎物性理論研究室, 専任研究員 (80332592)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 0-(BEDT-TTF)_2X / (TMTSF)_2X / 電荷揺らぎ / フェルミ面 / 超伝導 / 磁場 / θ-(BEDT-TIF)_2X / 核磁気緩和率 |
Research Abstract |
1.(TMTSF)_2Xには弱いながら、分子のダイマー化がある。この効果がd波・f波超伝導競合と、密度波・超伝導の競合にどのような影響を及ぼすかについて調べた。2バンド系に対するRPA計算を行った結果、ダイマー化はd波・f波競合には影響を与えないこと、また、超伝導に対して密度波を有利にする働きがあることがわかった。さらに、d波・f波が拮抗していることから、磁場によるシングレット・トリプレット転移の可能性について微視的な立場から調べた。ゼーマン効果を考慮してRPAによる計算を行った結果、電荷揺らぎを引き起こすオフ・サイト斥力の効果が、磁場の方向にスピン1を持つトリプレットf波超伝導を強く増強することがわかった。このことは、最近、(TMTSF)_2C10_4のナイト・シフトの実験において低磁場でスピン・シングレット、高磁場でトリプレット(またはFFLO状態)が提唱されていることと関係がある可能性がある。 2.θ-(ET)_2CsM'(SCN)_4(M'=Zn,Co)においては、(2/3,k,1/3)のX線強度の成長が低温で止まることが実験的にわかっているが、この起源を以下のように考えた。CsM'のフェルミ面のネスティングがあまりよくないため、温度の低下とともに既約感受率のピークの位置が移動していく。一方、2a-c, 2a+cの方向にX線のdiffuse sheetが高温から観測されている。これはこの方向に沿って電荷揺らぎを強くする効果があると考えられ、アニオンによる効果である可能性が指摘されている。既約感受率のピークが低温で(2/3,k,1/3)の位置からずれ、2a-c,2a+cから離れるにつれて、このアニオンの効果が薄れると考えれば、低温でのX線強度の成長停止が理解できる可能性がある。この効果を現象論的に電荷感受率に取り込んだところ、実験を理解できることがわかった。
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