新規な機能性π-電子系ドナー分子による次元性及び配列制御
Project/Area Number |
18028013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
迫 克也 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (90235234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立光 斉 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70101277)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | テトラチアフルバレン(TTF) / シクロファン / 直交π-電子系 / 分子内電荷移動 / 電荷分離状態 / 分子ダイオード(分子整流器) / 分子性導体 / 分子内電子移動 / 分子整流器 |
Research Abstract |
AviramとRatnerによる分子整流器モデル化合物であるTTF-TCNQ系とは違ったタイプの分子整流器モデル分子として、電位勾配が期待できるドナーとアクセプターを三次元的なπ-電子系に組み込んだドナー・アクセプター直交型シクロファン(DT-CN直交型シクロファン3及びDT-TTF-CN直交型シクロファン4)の合成に成功した。ドナー部位として3には(1,3-dithiol-2-ylidene:DT)を、4には(2-methylidene-1,3-dithiolo[4,5-d]-tetrathiafulvalene:DT-TTF]を、アクセプターとして(dicyanoethylidene:CN)を導入した。合成したドナー・アクセプター直交型シクロファン(3,4)の光物性、電気化学的特性を明らかにするために、電子スペクトルおよびCV測定を行った。電子スペクトルの結果より、ドナー・アクセプター直交型シクロファン(3,4)では、ドナー・ドナー直交型シクロファン(1,2)に比べて、分子内電荷移動バンド(ICT)が20nm以上長波長シフトしていることから、ドナーユニットからベンゼン環へ、さらにベンゼン環からアクセプターユニットへの遠隔分子内電荷移動相互作用の存在が示唆された。またCV測定の結果より、ドナー・アクセプター直交型シクロファン3では三段階酸化過程と一段階還元過程が、4では四段階酸化過程と一段階還元過程が観測された。第一酸化電位と第一還元電位の差から、3のHOMO-LUMOギャップは1.17eV、4では0.92eVと見積もられ、3はTTF-BQ(ベンゾキノン)系と、4はTTF-TCNAQ系と同程度であることがわかった。3のX線結晶解析より、DT部位及びCN部位とシクロファンベンゼン環は互いに直交しており、π-π相互作用によりHeadであるDT部位とTailであるCN部位がHead-to-Tail型にスタックした構造が基本単位となり、またDTな部位のπ-πス逹キングによって人他の基本単位と階段状のユニークなカラム構造を形成していることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)