分子性導体の外部パラメター制御による物性熱力学的研究
Project/Area Number |
18028015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中澤 康浩 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (60222163)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 分子性導体 / 熱容量 / 高圧 / 超伝導 / 磁場 / 圧力 / 分子性固体 |
Research Abstract |
本研究は、単結晶試料に対する極限環境下、複合外場環境下での熱的な測定を能動的に展開することを目指して提案された。平成19年度は、柔らかい格子系をもつ分子性導体の電子状態が最も敏感に変化する外部圧力印加状態での、熱容量の振る舞いを調べるため、前年度スタらトした高圧下熱測定の開発の本格的な展開と分子性導体への適応を中心に研究を行った。 期間前半は、高圧状態での分子性化合物1OOμg程度の単結晶を用いた高圧下での熱測定を行うための装置開発と整備、測定技術の開発を進めた。Be-Cu、Be-Cu+NicrAlのクランプタイプの高圧力セル内に交流法による熱容量測定ユニットをつくり、ヒーター部と温度検出部の間に単結晶を挟む構造で試料周辺の温度変調を検出するための機構を作,成した。加熱用ヒーター、ならびに温度検出には酸化ルテニウムの圧膜構造チップを利用した新しいセルを作成した。極微チップ(0.6mm×0.4mm×0.2mm)であるため、熱電対の接点に近い微小体積でありながら、低温で感度の高い四端子計測が可能であり、四端子計測した抵抗成分の周期的加熱による振動分を位相検波する方法で実験を行った。 期間後半は、まず、金属インジウムの標準試料測定によって超伝導転移の熱的な検出を試みた。圧力印加とともに転移点が低下することを確認した後、5Kの転移温度を示す有機超伝導体であるK-(BEDT-TTF)_2Ag(CN)_H_2Oを用いた圧力下での測定を行った。格子によるバックグランドが非常に大きくなるため、高圧下交流熱測定装置では熱異常の定量的評価は難しいが、交流周波数20Hz,加熱電流70μAの条件下で、常圧で、5K付近に超伝導に伴う相転移の熱異常を検出すること解できた。磁場印加下でのデータを差し引くと、この熱異常は磁場によって抑制されていく様子がわかる。次いで7kbarの圧力をかけた状態でのOT,2Tのデータの差を調べると、磁場による変化がまったく観測されず、この圧力下では正常金属状態になっていることが判明した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)