Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
本年度は、高いガラス形成能を有する合金系を見出し、直径5mm以上のCo基バルク金属ガラスの作製を目的とした。そこで、機械および磁気特性を保持しつつ、ガラス形成能の向上を目的として、直接鋳造で直径5mmのバルク金属ガラスが作製できる(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nb合金にZr元素を添加し、その(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nb-Zrバルクガラス合金のガラス形成能、機械および磁気特性を調べた。 Zrを添加しない(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nb合金と比べ、1at%Zrを添加した(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nb-Zr合金は明瞭なガラス遷移を示し、ガラス遷移前後の比熱の差も大きい、安定な過冷却液体を有することを示した。一方、Zrの含有量を2,3at%に増加すると、ガラス遷移は弱め、ガラス遷移前後の比熱の差も低下した。したがって、1at%Zrの添加は過冷却液体の熱的安定性の向上に有効であった。また、1at%Zrの添加は(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nb・合金の共晶点に接近させ、換算ガラス化温度を0.6に増加した。これらの結果により1at%Zrの添加は(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nbガラス合金のガラス形成能を向上したことが分かった。そこで、銅鋳型鋳造法によりバルク試料を作製し、直径7mmまでの(Fe,Co,Ni)-B-Si-Nb-1at%Zrバルク金属ガラスが作製できた。この(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nb-1at%Zrバルク金属ガラスは1.1Tの飽和磁化、2A/mの保磁力の軟磁気特性および4180 MPaの超高強度を示した。Zrの添加は(Co,Fe,Ni)-B-Si-Nbバルク金属ガラスの機械および磁気特性を保持しつつ一方、ガラス形成能の向上に有効であった。
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