Project/Area Number |
18029010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水林 博 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40114136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 久典 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70222122)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | 金属ガラス / 結晶化 / 水素誘起構造緩和 / 安定性 / 局所構造 / 容易結晶化領域 / 添加元素の効果 |
Research Abstract |
金属ガラスの水素内部摩擦ピーク温度およびピーク高さの水素濃度依存性は、水素添加した金属ガラスでは水素誘起構造緩和(HISR)が起きることを示唆する。金属ガラスの中では、Zr-Cu系でZrの組成比が50-55at%のグループ(Zr_<50-55>グループ)はHISRの耐性パラメータロ_Hが高い。水素内部摩擦ピークの緩和時間τ=_τ_0exp(E/kT)の前指数項の逆ν_0=1/τ_0は、Zr_<50>Cu_<50>では10^<17-18>s^<-1>と極めて高い値を示す試料群Hとデバイ振動数に近い値を示す試料群Dがあり、前者は試料作成時に石英管との反応によるSi及びOが含まれている可能性がある。試料Dの水素内部摩擦ピーク高さQ^<-1>_pの水素濃度C_H依存性は、金属ガラスで共通して観測されるQ^<-1>_P=△Q^<-1>_p(CH/τ_H)^<1/2>で表せるが、試料Hではこれから外れ、かつ、Q^<-1>_pの値が試料Dの数倍である。しかし、Zr_<50-55>グループの水素添加による体積膨張率は他の合金種と大差はない。以上のことは、局所構造のネットワーク性の程度が、金属ガラスの物性と安定性に一定の役割を果たすことを示唆する。一方、コンデンサ放電によるパルス通電結晶化実験では、生成する結晶相は金属ガラスの組成に依存し、昇温結晶化後に観測される結晶相とは必ずしも一致しない。また、放電時定数および初期電流密度を固定してパルス通電を繰り返すと、1-2回程度の潜伏期を経て結晶化が進展し、その後の数回のパルス通電後に飽和する。また、飽和時の結晶相の体積割合はガラス生成能が低い金属ガラスでは数十%に達するが、ガラス形成能が高い金属ガラスでは1%未満に留まる。即ち、パルス通電結晶化は、金属ガラスに内在する容易結晶化領域を現像することに相当し、金属ガラスの安定性を可視化したと言える重要な結果である。
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