Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
本研究の目的は、バルク結晶金属にフェムト秒レーザーを照射し、表層をガラス化することである。フェムト秒レーザー照射によるガラス化の報告はこれまでにはない。フェムト秒レーザーを金属表面に照射すると強度100-300GPa程度の衝撃波が駆動され固体内を伝播する。また、パルス幅が極めて短い為溶融層が極めて薄く、従つて冷却速度は10^<13>K/s程度と極めて大きい。これらはパルス幅が長い(ナノ秒以上)レーザーでは起こらない現象である。本研究では、超高圧および超急冷を同時に達成するフェムト秒レーザーを用いて、バルク結晶金属表層にこれまでにない金属ガラス合成を目指す。昨年度は、そもそもフェムト秒レーザー照射によってアモルファス化が可能かどうかを調べる為に、アモルファス形成能の高いγ-CuTi合金のフェムト秒レーザー誘起アモルファス化を調べた。その結果、表層約400nmがアモルファス化していることが確認された。アモルファス相が誘起された機構としては以下の2つが考えられた;1)フェムト秒レーザー駆動衝撃圧縮による力学的効果、2)レーザー誘起溶融層凝固時の急冷効果。今年度は、このどちらの因子が寄与しているかを確かめる為に、衝撃波の駆動されないナノ秒レーザーおよび連続波レーザーをγ-CuTiに照射し、照射部の結晶構造をTEM観察及び電子線回折によつて調べた。ナノ秒レーザー照射部の溶融再凝固部はアモルファス化しており、アモルファス相の中に結晶相が核生成していることがわかった。また、このアモルファス層は表層から2μm程度の厚みで形成されていた。おおよその冷却速度は、ナノ秒レーザー照射に対して10^9K/s、フェムト秒レーザー照射に対して10^<13>K/sである。この大きな冷却速度の違いがアモルファス形成に大きな影響を及ぼしており、フェムト秒レーザーは極めて大きな冷却速度を達成できるので、アモルファス形成に対して極めて優位であると言える。
All 2008 2007 2006
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)
第14回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム( Mate2008 )予稿集 14
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Mater. Sci. Forum Vol. 561-565
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Advanced Materials Research Vol. 26-28
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Mater. Sci. Forum Vol. 539-543
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Proc. Smart Processing Technology 1
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