Project/Area Number |
18031004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (60282109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 崇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40361133)
高橋 卓也 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (70262102)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥11,300,000 (Direct Cost: ¥11,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 水和 / アクチン / ハイパーモバイル水 / 誘電スペクトル / 量子化学計算 / ポリアイオネン / 分子動力学計算 / ポリアクリル酸 |
Research Abstract |
アクチン周りに発見されたバルク水より誘電緩和周波数の高い水(ハイパーモバイル水:HMW)の物理的形成機構について、ポリアイオネン等の合成高分子の誘電スペクトル測定を行うため、カウンターイオンとして以前の臭素から水酸イオンに交換した試料を作成した。この水和状態を正確に解析するために、濃度を滴定法により正確に決定し水和状態の解析を行った。その結果、主鎖内正電荷の間隔がメチレン基数n=2,3,4,6と増大するにつれて疎水性水和と考えられる誘電吸収が増大し、HMWに相当する誘電吸収ピークはn=4以上で急減した。このことはHMWの形成にはカウンターイオンが臭素イオンでも水酸イオンでも良いことを示している。結果、高分子鎖の電荷密度が十分高ければHMWを形成すると考えられる。また、色素フェノールレッドを用いて、少量の試料によるHMWの検出を試みた。フェノールの酸解離定数の測定により、HMWのバルクより低い誘電率成分が増大することでpK値が高い値にシフトすることを確認した。このことから、酸解離pK値は指標として応用が期待できる。また、イオンおよびポリマー周りの水の分子動力学計算および量子化学計算においては、水のモデルを変え分極を取り込んだFlexibleなSPC/Eモデルで、古典的MD(CMD)により、NaClおよびKI水溶液中の水の拡散係数および回転緩和時間を計算した。K,Iイオン周りでも、前回の剛体モデル同様、バルク水より拡散係数が高くなることが見出されず、結果は濃度に比例して低下した。一方、Li,Na,Kイオンと数十個の水分子のクラスターに対して量子化学計算をすると、イオン半径が大きいほうが水のダイポールモーメントがバルクのときより小さくなることがわかった。ダイポールモーメントが1%小さい水ではCMD計算で拡散係数は20%も上昇するので、これによってイオン周囲の水の運動性の上昇を説明することができた。また、負電荷をもった高分子の周りの水の拡散係数は高い値を示す傾向を得た。
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