構造の揺らぎと柔軟性を考慮した溶液内化学反応理論の構築
Project/Area Number |
18031019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 啓文 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (70290905)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | 溶媒和理論 / 液体の積分方程式理論 / エネルギー分配法 / 三次元溶媒分布関数 / 共鳴構造 |
Research Abstract |
溶液内の化学過程を理解するためには、現象を支配している基本原理である統計力学と量子化学双方の視点が重要である。こうした背景をふまえつつ、以下の成果を得た。 1.構造揺らぎを統計的に扱う方法には、類似法では1-4以遠の相互作用を効率よく取り入れることは容易ではなかった。本課題研究では一部モンテカルロ法を併用することで、十分に長い直鎖状分子からなる液体系に対しても適用可能な新しい統計理論の開発に成功した。これを用いたn-アルカンの計算結果は既知の配置をよく再現した。現在、この結果は学術雑誌への投稿を準備している。 2.昨年度までに開発した量子化学計算の結果を様々な意味で粗視化する手法を実際に系に適用した。(1)系の全エネルギーを、構成する原子とその対に分配する方法を、ab initio Monte Carloと組み合わせて水二量体の系に応用した。またこれを分光学実験により得られた結果と比較し、同法が系を適切に記述できていることを確認した。(2)非経験的分子軌道法で求めた電子状態を共鳴構造を基に解析する方法を用いて、クラスターや水溶液中の分子の電子状態の解析を行った。 3.液体論の一つである3D-RISM法を基礎として高効率で並列計算が可能な手法の開発に成功した。また、この方法により種々の蛋白質分子周辺やその内部における水の分布構造を明らかにした。 4.キサンチンオキシナーゼによる酸化過程や水中の重炭酸イオンの生成など、様々な化学反応メカニズムを明らかにした。 以上、目的としていた方法論を開発し、水の関わる種々の分子間相互作用を明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(25 results)