溶媒からエネルギーを取り込んでエントロピー的駆動力を利用する分子モーター
Project/Area Number |
18031033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
宗行 英朗 Chuo University, 理工学部, 准教授 (80219865)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 一分子計測 / 生物物理 / 分子モーター / 整遥らぎ / 活性化エネルギー / 熱揺らぎ |
Research Abstract |
平成19年度はF_1-ATPaseモーターの一分子観察用顕微鏡に,部品からくみ上げた温度調節装置を組み込んだ.不凍液を循環させることにより,約4℃での回転観察が可能になり,Kmよりはるかに高いATP濃度(2mM)でもステップ回転が起こることが観察された.このステップは,ATPの結合待ちの角度で起こるものであるが,ATPの濃度が十分高いことから溶液中のATPがF_1に衝突するまでの待ち時間ではあり得ない.つまりそれ以外の今まで未知だったイベントを反映しているはずである.このイベントとATPの結合のイベントの関係を知るために,ATP待ちの時間が同じくらいの長さになる様にATPの濃度を落として観察を行ったが,dwell time histogramはきれいな単一の指数関数で近似された.これは溶液中からのATPの衝突が早い解離のためにほぼ平衡になってから次のイベントが起こっていることを強く示唆する.つまり,比較的熱エネルギーによる活性化が小さくても進むATPの最初の結合が(非常に早く)ほぼ平衡に達した後に,温度依存性の大きい,つまり熱揺らぎの助けが必要なプロセスがあり,おそらくそのプロセスがステップ運動だということである.既に他研究室でも同じように低温での観察がされており,低温で見えている遅いプロセスがADPの解離であることが示唆されている.現在その点についても更に慎重な検討を進めている.まだ論文発表には至っていないが,本研究計画の趣旨に添って研究が進んでいる.
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)