Project/Area Number |
18031042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
河野 秀俊 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40291918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 洋 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (20379598)
米谷 佳晃 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (80399419)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 水和 / DNA / 構造変化 / 分子動力学計算 / タンパク質-DNA相互作用 / 構造変形 |
Research Abstract |
1.DNAの柔らかさの塩基配列依存性と水和パターン 4塩基配列の全配列パターン(136通り)について分子動力学計算を行い、DNAの柔らかさと水和パターンの関係を系統的に調べた。結果、DNAの柔らかさと水和パターンの間に明確な相関があることがわかった。その様子は、副溝における水のブリッジの4つのパターンでうまく説明できることを見出した。 さらに、DNAの柔らかさと水和パターンの間にこのような相関が見られる原因を調べるため、塩基の水素結合アクセプター原子の電荷を仮想的にゼロにした計算を行なった。結果、ブリッジ形成がDNAの柔らかさを決定づけるというよりむしろ、DNAの柔らかさが水和パターンを決定づけていることが示唆された。 2.中性子散乱実験によるDNA物性の測定 上記の結果を実験的に検証するために、最も硬い配列のひとつCGCGAATTCGCGと最も柔らかい配のひとつCGCGTTAACGCG(真ん中の4塩基の配列が異なる)のオリゴDNA粉末試料を相対湿度86%(室温)で水和させ、水の吸着量を測定した。結果、硬い配列の方が水の吸着量が多いことがわかった。この結果は分子動力学計算結果と一致している。 また、塩基配列CGCGAATTCGCGのオリゴDNA粉末を水和させた試料で非干渉性中性子散乱実験を行った。100Kから室温までのDNAの平均自乗変位を測定したところ、約240Kで急激な揺らぎの増大(動力学転移)が観測された。水和した蛋白質にも同じ温度で動力学転移が観測される。また、DNAの分子動力学計算によっても200K付近で動力学転移が見られた。これらの結果は、生体分子の構造変化を理解するためには、その水和状態を知る必要があることを示している。
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