シクロブタンを構造素子とする創薬リード物質の迅速合成
Project/Area Number |
18032009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University (2007) Tohoku University (2006) |
Principal Investigator |
高須 清誠 Kyoto University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (10302168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 健士 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (60400264)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | シクロブタン / 生理活性物質 / 多成分反応 / 連続反応 / 立体選択的合成 / 多環構造 / 迅速合成 / 有機酸触媒 / (2+2)-環化付加反応 / 全合成 / 官能基 |
Research Abstract |
シクロブタン環は最も基本的な環構造であるにもかかわらず、多置換誘導体の効率的かつ実践的な構築法が限られており、シクロブタンを含む化合物の生理機能に関する研究は他の環状物質に比べて遅れていた。申請者らはすでに多置換シクロブタン構造の有用な合成技術をあみだしているが、H20年度はその技術を展開して、より複雑な分子構造を簡便かつ迅速に合成する研究を行った。特に、多成分反応・連続反応について検討を行ったところ、連続反応の途中段階で反応活性部位が選択的に移動する反応を見出した。これにより、従来の直線的な分子変換しかできなかった問題点を解決し、分岐型分子変換を可能にした。この技術はシクロブタン合成だけでなく、他の様式の多環システムや多置換非環状物質にも適用できた。 また、あわせて上記の技術を用いて生理活性天然物の合成研究も行った。期間中に全合成を達成するには至らなかったが、神経毒作用をもつペニトレム類、抗腫瘍活性をもつプロトイルダン類やイルジン類の新規合成法についての基盤を構築した。例えば、ペニトレム類はシクロブタン環を含む9環性の化合物であるが、左側セグメントに相当するインドール環を含む4環性物質の完全立体選択的合成に成功した。イルジン類の合成では、シクロブタン化合物をカチオン発生条件に付すことでシクロブタンからシクロプロパンというよりひずんだ構造に環転位する極めて稀な反応を見出し、それを応用している。プロトイルダン化合物の合成では、単純な三成分を準じ混合するだけで一挙に複雑なテルペン骨格を合成することに成功し、天然物のdes-methyl誘導体の合成まで完了している。 本特定領域研究の成果を総括すると、これまで短行程合成が困難であったシクロブタン類を迅速かつ実践的に合成するための手法を提案することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)