Project/Area Number |
18032010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有本 博一 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60262789)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | バンコマイシン / 耐性菌 / VRE / 2量体 / ケンドマイシン |
Research Abstract |
感染症治療の現場において、耐性菌の問題が深刻さを増している。特に、多剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)には有効な抗生物質が限られ、バンコマイシンなどグリコペプチド系抗生物質に対する期待が大きい。バンコマイシンは、作用機序が特異であることから耐性の出現が遅く、「最後の切り札」とも言われたが、現在ではVRE,VRSAなどの耐性菌が存在する。 私達は、バンコマイシンの化学修飾による抗菌性改善に取り組み、優れた治療効果を示す誘導体の創製に成果をあげた。さらに、作用機序解析を行なって、さらなる薬剤候補化合物の創製を目指した。まず、細菌の細胞膜画分を粗酵素とする、in vitroのペプチドグリカン合成系を確立し、感受性菌、耐性菌の細胞壁合成について分子レベルでの知見を集めた。 私達が創製した化合物は、感受性菌に対する場合と、耐性菌に対する揚合で一部異なる作用機序を持つと示唆された。今後は、精製酵素系でのペプチドグリカン合成を評価できるよう検討を行なう計画である。 これら、化合物設計から、活性測定、作用機序解析への一連の研究とは独立に、クロスカップリング反応によるバンコマイシンの新規化学修飾を検討した。これまで、製薬各社が行なってきた創薬研究は、少数の限られた反応に依存していた。私達は、難しかった塩化アリール部位に炭素置換基を導入することに成功し、全く新しい創薬展開を可能にした。
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