Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
既存の分子を超える高機能性分子を設計するためには、リガンド分子が標的蛋白質のどの部位と相互作用しているかを、原子レベルで理解する必要がある。本研究は、蛋白質上のリガンド結合部位を原子レベルにおいて同定することを目的として、常磁性分子が蛋白質表面の13C核に対して誘起する常磁性シフトを利用した、新規NMR相互作用解析法の開発を行った。本年度は、常磁性シフトを利用した相互作用界面決定法の適用範囲の拡張について検討を行った。 (1)相互作用系の親和性(親和性の弱い複合体についても相互作用界面を決定できるか?) 単独状態のubiquitinと、YUH(wt)結合状態のubiquitin(結合定数1.3×10e5 M-1)のそれぞれに対してTEMPOLを添加し、YUH(wt)結合に伴う常磁性シフトの変化を測定した。この結果、ubiquitinのT7-Cb,Cg,T9-Cg,I44-Cg2,Cd,V70-Cb,Cg1,Cg2,L71-Cb,Cd1,L73-Cd1について、YUH(wt)結合に伴う0.05ppm以上の常磁性シフトの減少が観測された。これらの原子の分布域は、ubiquitin-YUH(C90S)(結合定数2.2×10e7M-1)の常磁性シフト解析において検出された相互作用界面原子の分布域と一致していた。以上より、常磁性シフトを利用した相互作用界面決定法が、NMRの時間領域において速い交換状態である、結合定数として10e5[M-1]程度の親和性の相互作用系に対して適用可能であると結論した。 (2)相互作用系の分子量(膜蛋白質などの巨大分子についても相互作用界面を決定できるか?)(坂倉) カリウムチャネルであるKcsA(みかけの分子量>100KDa)に対して安定同位体標識を導入し、一連の3重共鳴測定を行うことにより、KcsAの主鎖NHに由来するシグナルの帰属を試みた。また、Kayらによって開発された手法(Tugarinov and Kay,2005)を用いることによりメチル基に対して選択的に安定同位体標識を行い、KcsAのメチル基に由来するシグナルを高感度に観測することに成功した。
|