炎症性腸疾患モデルを用いたフェルラ酸エステル誘導体の抗炎症作用機序の解明
Project/Area Number |
18032023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 博 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30134505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70211547)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | γ-オリザノール / 腸炎 / NFκB / マクロファージ / シクロアルテニルフェルレート / リポポリサッカライド |
Research Abstract |
昨年度はDSS誘発腸炎モデルを用いてγ-オリザノールの抗炎症作用について解析し、γ-オリザノールが強力な腸炎抑制作用を持つことを明らかにした。今年度は、このγ-オリザノールの腸炎抑制作用の分子機構についてさらに詳細に検討した。まず、γ-オリザノールに含まれる主成分であるシクロアルテニルフェルレート(CAF)と体内での代謝産物と考えられるエステル体のはずれたフェルラ酸(FA)における、DSS誘発腸炎に対する抑制作用について検討した。結果、CAFはγ-オリザノールに匹敵する同等の腸炎抑制作用を示すこと、FAは両者には劣るものの有意な腸炎抑制作用を持つ成績を得た。また、DSS誘発腸炎を惹起させた後にγ-オリザノールを経口投与する後処置群、および、γ-オリザノールの皮下投与群においても同等の腸炎抑制作用をもつことを明らかにした。すなわち、γ-オリザノールは腸炎の治療並びに予防に対して有効であると期待される。さらに、腸炎発症部におけるNFκB活性について、NFκBp65タンパク質の発現と核内移行、ならびにIκBαタンパク質の発現を指標に検討したところ、γ-オリザノールの処置により、腸炎発症部におけるNFκBp65タンパク質の発現低下と核内移行抑制、IκBαタンパク質分解阻害による発現増加が認められ、γ-オリザノールが恐らくIKKによるIκBαのリン酸化を阻害することでそのタンパク質分解を阻害し、NFκB活性を抑制することが腸炎抑制の分子機構として考えられた。さらに、γ-オリザノールならびにCAF、FAには抗酸化作用があることが確認され、NFκB活性阻害作用の一部は抗酸化作用に起因する可能性が考えられた。以上、本研究により米糠由来のγ-オリザノールが腸炎の治療ならびに予防に有効な食品成分であることが明らかにされた。さらに、本成績から、γ-オリザノールが他の炎症性疾患に対しても有効である可能性が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)