腫瘍選択的血管内皮細胞障害物質フェニラヒスチンを戦略分子とする分子創薬基盤研究
Project/Area Number |
18032081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science (2007) Kyoto Pharmaceutical University (2006) |
Principal Investigator |
林 良雄 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 教授 (10322562)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 合成化学 / 分子認識 / 癌 / 生体分子 / 薬学 / フェニラヒスチン / 血管内皮細胞障害 / ジケトピペラジン |
Research Abstract |
我々は、がん組織に新生される血管内皮細胞を障害する新生血管内皮細胞障害剤(VDA)として機能する微小管脱重合化合物(チューブリン重合阻害物質)KPU-2を既に開発し、米国において臨床試験を進めている。この分子はジケトピペラジン骨格からなる小分子であるが、僅かな構造変換で活性が大きく変化することから、チューブリン分子に厳格に認識されていることが予想される。そこで、この化合物の結合部位、ならびにその脱重合機構解析のために、光標識可能なプローブ化誘導体の創製研究を進め、蛋白質を光修飾できるベンゾフェノン構造を有する高活性誘導体KPU-244を開発した。さらに光標識後のウエスタンブロティングによる検出のためにKPU-244にBiotin-Tagを付けたKPU-244-B1を設計・合成した。 KPU-244-B1は若干生物活性が低下するものの、微小管を認識するのに十分な活性を維持していたことから、これを光親和性プローブとしてチューブリンの光親和性標識を実施したところ、照射時間依存的にチューブリンが標識された。αおよびβの両チューブリンユニットが標識されたことから、互いに結合する2つのユニットの境界領域にKPU-244-Blは結合すると考察された。一方、この標識はKPU-2、KPU-244、およびコルヒチン各々の共存により競合的に阻害されることから、光親和性プローブならびにKPU-2の結合は特的なものであることが示唆され、さらにコルヒチン結合部位の近傍で2つのチューブリンユニットの境界領域を認識しているものと考察される。詳細な結合部位の同定は現在進行中であり、最終的には結合部位を決定することで、脱重合機構の解明に迫りたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)