Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
我々は,神経栄養因子様活性を有する低分子天然物質として,ホーノキ,サンゴジュ,メリラクトンA,ネオビブサニンとタアルミデインを見いだしている。これら四種の活性化合物はそれぞれ構造が大きく異なることから,これらの神経栄養因子活性発現に関与する作用機序解明は神経変性疾患の治療と予防薬物開発に重要な指針を与えると推察できる。本年度研究は,先ずホーノキオールの神経細胞内標的部位および標的タンパクの同定に蛍光プローブ化したビオチン誘導体を用いて検討したが,特異的な結合タンパクの特定に至っていない。現在,ホーノキオールの光アフィニティーラべル化に成功し,それを用いて結合タンパクの同定を行っている。メリラクトンAの全合成は順調に進み、メリラクトンAの全ての環構築法が確立できた。ネオビブサニンの合成に関しては、パラジウム触媒下一酸化炭素挿入を伴う分子内Heck反応の応用により,初めてネオビブサニン基本骨格の合成に成功した。また、不斉マイケル反応を利用した不斉四級中心構築法も確立できた。それらを基盤とするネオビブサニンの不斉合成は順調に進んでいる。Evansの不斉アルドール縮合ならびに立体選択的ヒドロボレーションによるタアルミデインの不斉合成手法を適用することで,テトラヒドロフラン環上に連続する4個の不斉中心を作り分け,現在,8個の立体異性体中6個の合成に成功し,立体化学と神経栄養因子活性との関係を検討している。最近,老化促進マウスSAM8に対して,ホーノキオーは学習改善効果を示すだけでなく海馬神経細胞の脱落も防御できることが判明した。この結果は,以前から研究している神経栄養因子活性低分子天然物が神経変性疾患の治療と予防薬の開発に有効な候補化合物に成り得ると,改めて確信した。
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