内殻励起状態の第一原理計算法の開発とX線分光スペクトルへの適用
Project/Area Number |
18036001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
五十嵐 潤一 茨城大学, 理学部, 教授 (20127179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 学 群馬大学, 工学部, 助教授 (50250816)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 第一原理計算 / 内殻励起スペクトル / 多重散乱 / 三体相関 / 共鳴非弾性X線散乱 / 電荷励起 / La_2CuO_4 / NiO |
Research Abstract |
内殻励起スペクトルの第一原理計算の確立をめざして、内殻正孔ポテンシャルの遮蔽効果を研究し、以下の成果を得た。 1.La_2CuO_4のCu K吸収端近傍における共鳴非弾性X線散乱(RIXS)は、中間状態に存在する正孔ポテンシャルを遮蔽するためCu 3d電子の電荷励起が形成されるところから生じる。Tight-binding模型を用いて内殻正孔ポテンシャルによる多重散乱を取り入れた計算を行い、RIXSの機構を解明した。遮蔽効果を取り入れた第一原理計算を行うための第一歩と位置づけられる。 2.NiOのNi K吸収端におけるRIXSスペクトルをTight-binding模型を用いてハートレーフォック近似及び乱雑位相近似(RPA)を用いた計算を行い、そのスペクトルの全容を解明した。実験との定量的一致をみるためにはRPA効果を取り入れることが必要であることも明らかになった。この研究成果も、第一原理計算の有力な方法であるLDA+U法やGWA法を用いた計算への第一歩と考えられる。 3.La_2CuO_4のCu K吸収端RIXスペクトルの低エネルギー損失領域に、2マグノン励起から来ると思われるピークが観測されている。これは、内殻正孔ポテンシャルによるスピン交換相互作用の変調と見るとことができる。このスペクトルを記述する定式化を提案し、ハイゼンベルグ模型にたいする1/S展開(Sはスピンの大きさ)を適用して具体的にスペクトルを求め、光学領域のラマン散乱スペクトルとの違いを明確にし、その機構を解明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)