Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
従来,新しいタンパク質を単離した研究者が,最初に考えることは,標的タンパク質に対する抗体を入手することである.免疫染色法により,標的タンパク質の発現量や発現部位を同定することができる.しかしながら,抗体は,多数のジスルフィド結合を含む巨大タンパク質であるため,抗体を細胞内に導入したり細胞内で機能させたりすることができず,生細胞内におけるタンパク質の動的解析には利用できない.そこで,本研究では,抗体にかわって,細胞内への導入が可能な小さく安定な親和性プローブを網羅的かつ体系的に作製する技術を確立する.すなわち,立体構造モチーフ(α-ヘリックスなど)をもつペプチドのファージ表層提示ライブラリーを作製し,構造情報に基づく体系的な,ライブラリーの選別を行う.立体構造を持たせることにより,抗体と同様に,高い特異性と親和性,さらに生細胞内での安定性を獲得することができる. (1)α-ヘリックス構造ペプチドライブラリーの構築:ヘリックス・ループ・ヘリックス構造を有する35アミノ酸残基からなるペプチド1AAのα-ヘリックス構造の外側5アミノ酸残基をランダム化したペプチドライブラリーをファージ表層に提示させ,ファージライブラリーを構築した. (2)ヘリックス・ヘヤピン構造ペプチドライブラリーの構築:ヘリックス・ループ・ヘリックス構造を有するペプチド1AAのループ部分のアミノ酸5残基をランダム化したペプチドライブラリーをファージ表層に提示させ,ファージライブラリーを構築した. (3)オーロラキナーゼの固定化条件の検討:オーロラキナーゼに対する親和性ペプチドを獲得するにあたり,ファージライブラリーの選別に使用するオーロラAをプレートへ固定化する条件を検討した.IMAPシステムを用いて,オーロラAキナーゼの活性を調べたところ,グルタチオンプレートを用いた固定化,Anti-GST抗体を用いた固定化いずれの場合にもキナーゼ活性は保持されていた。現在,本条件により固定化したオーロラAを用いて親和性ペプチドの獲得を検討している.
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