Project/Area Number |
18038050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences |
Principal Investigator |
蟹江 治 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門糖鎖制御学グループ・糖鎖多様性研究チーム, 主任研究員 (90291062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 康成 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門糖鎖制御学グループ・糖鎖多様性研究チーム, 特別研究員 (80416669)
佐藤 利行 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門糖鎖制御学グループ・糖鎖多様性研究チーム, 特別研究員 (10350430)
鈴木 克彦 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門糖鎖制御学グループ・糖鎖多様性研究チーム, 協力研究員 (80316489)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 糖鎖 / 酵素反応 / 糖転移酵素 / ゴルジ体 / マイクロチップ / 多段回反応 / LC / MS / オンライン分析 |
Research Abstract |
糖鎖は生体内で糖タンパク質や糖脂質といった複合糖質として存在し、細胞間認識、細胞接着、がん化、ウイルスや細菌感染におけるレセプター機能など様々な生命現象に関与している。生体内での糖鎖生合成は、粗面小胞体やゴルジ体に局在する糖転移酵素の働きによって行われる。糖タンパク質や糖脂質が各ゴルジ層板を通過する際、逐次的に糖鎖修飾が行われそれぞれの機能を獲得する。しかしながら、細胞内における糖鎖修飾メカニズムは未知の部分が多く、生命をシステムとして理解する上でそのメカニズムを解明することは極めて重要なことである。そこで本研究では直接の可視化、定量化が困難である細胞内糖鎖修飾において、ゴルジ機能を模倣するマイクロチップを作製し、この反応の制御を行うことで細胞における制御機構の解明を目指した。 マイクロチップ上糖鎖生合成を実現するために、糖転移酵素を付加したアガロース製ビーズをマイクロチャネル内に充填することにより反応領域を構築した。ここに基質、糖核酸を含有した反応溶液を送液し糖転移反応を行う。この反応領域を同一チャネル上に配置することで、連続反応を行った。またマイクロチップから得られる生成物をオンラインで測定するためのLC-MSシステムを構築した。糖鎖合成のモデル系として、p-ニトロフェニルβ-D-キシロピラノシド(Xyl-PNP)をアクセプター基質とし、ガラクトース転移酵素1(GalT-I)によるガラクトース(Gal)の糖転移反応、そしてガラクトース転移酵素II(GalT-II)によるガラクトース(Gal)の糖転移反応、さらにグルクロン酸転移酵素I(GlcAT-I)によるグルクロン酸(GlcA)の糖転移反応という多段回糖転移反応行った。 GalT-Iによる糖転移反応において、反応溶液の送液流量を0.1μL/minとしたとき約97%の収率が得られ、流量の増加に伴って生成物が減少するという関係を示した。本系での送液流量はゴルジ体内における物質移動に相当し、ゴルジ機能構築のための重要なファクターであると考えられる。これら知見を基に多段回反応を行い、マイクロチップ上での糖鎖連続合成に成功した。
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