Project/Area Number |
18039034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
阿部 二朗 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70211703)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | π共役ポリマー / 伝導光スイッチ / ポリチオフェン / 光誘起分極反転 / 非線形光学 |
Research Abstract |
光応答性など外場応答機能を有する多機能型導電性高分子に注目が集まっており、数多くのポリチオフェン(PTh)類縁体が研究されている。本特定領域研究では、PTh主鎖にm-phenyleneリンカーを組み込んだ1,3-ビス(ビチエニル)ベンゼンが電解重合によって良質な導電性高分子薄膜を形成することを見いだした。さらに、PThの光機能化を図ることを目的として、可視光領域に強い吸収帯を持つ亜鉛ポルフィリンを側鎖に有するビチオフェン誘導体を合成し、電解重合により得られたPTh薄膜の光化学特性について検討を行なった。合成したポリマーの薄膜デバイスにおける光導電性および光起電力特性を明らかにすることを目的として、ITOガラス電極上に電解重合により50nm程度の高分子薄膜を形成した後、Alを真空蒸着しITO/ポリマー/Al非対称セルを作製した。ポルフィリンのSoret帯およびQ帯の吸収波長領域にあたる400〜700nmの可視光を用い、作製したITO/ポリマー/Alセルの光化学特性の検討を行なった。ITO側から光照射し電流-電圧特性の測定を行なったところ、電流値は小さいものの、暗電流に比べ、きわめて大きな光電流が見られ、光導電性が確認された。-1V印加時の光電流と暗電流の比は118:1であった。小さな電流値は、このポリマーの導電性が低いことを示しており、これは電解吸収スペクトルから示唆されたポーラロンおよびバイポーラロンの局在化に由来するものであると考えている。また、短絡電流の光応答性測定の結果より、光照射開始にともない、スパイク状の電流が観測され、良好な光応答性が見られた。これにより、本デバイスが光起電流特性を持つことが明らかとなった。照射光強度16.5mW/cm^2時の短絡電流密度は-0.43μA/cm^2、開放電圧は0.34Vであった。
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