大型分子コンダクタンスでの非断熱相互作用と電子相関の第一原理計算
Project/Area Number |
18041004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 恒夫 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (30345095)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 分子 / 電気伝導 / 非平衡グリーン関数 / ナノワイヤー |
Research Abstract |
前年度に引き続き、Keldysh形式による非平衡グリーン関数法と第一原理計算手法として密度汎関数法を組み合わせた、ナノワイヤー、単一分子、有機界面などの電気伝導を計算するための手法の開発と実装を行った。従来の標準的第一原理計算は非常に計算コストがかかるため、特に単一分子電気伝導系に代表されるような低被覆率な場合や、今後応用が期待されているπ共役分子鎖やDNAなどの生体分子等、大型分子については、その適用が困難である。 本研究では分子軌道展開による摂動法、埋め込みポテンシャル法、truncated MO空間の導入、など新規な手法を導入し、高速かつ大規模計算に適した手法と計算プログラムを得ることができた。さらに、電極サイズに対するオーダーNな自己エネルギー計算について、従来の手法では非物理的解が生じうることを計算により示し、安定的数値解を得るための条件式を導き、計算プログラムに実装を行った。 また、電子-フォノン相互作用による非弾性散乱の効果も第一原理計算に取り込み、コンダクタン変化および非弾性トンネリング電子分光(IETS)シグナルを計算可能とする理論開発と適用も行った。今回は、金電極-金原子ワイヤーからなる系について、そのコンダクタンス、IETSシグナルを第一原理計算により求め、先行理論、実験との比較を行った。さらに、系の電極とコンタクトに対する2次元周期性、部分的1次元化が、コンダクタンスやIETS強度に重要な寄与を与えることが分った。その機構が、伝導電子波の縦方向の干渉効果(導波管効果)にあることを見出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)