Project/Area Number |
18043018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川村 光 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (30153018)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ヘリウム 3 / 3 角格子 / ハイゼンベルグモデル / ボルテックス / トポロジカル転移 / モンテカルロシミュレーション / 多体交換相互作用 / ヘリウム3 / 3角格子 |
Research Abstract |
ヘリウム3薄膜の核スピン系やNiGa_2S_4磁性体は、3角格子上のフラストレートしたハイゼンベルグ反強磁性体として、その特異な磁気秩序化現象に最近大きな関心が持たれている。昨18年度においては、ヘリウムの核スピン系で重要な役割を果たしていると期待される多体交換相互作用の効果を、スピンネマチック秩序やボルテックス秩序との関連において数値的に検討した。本19年度は、NiGa_2S_4磁性体を念頭に、最近のNMRやμSR測定で低温で内場が観測されたことを受け、双1次交換相互作用のみの最も標準的な3角格子上の古典ハイゼンベルグモデルの秩序化を、高精度モンテカルロシミュレーションにより再検討した。反強磁性2次元3角格子ハイゼンベルグモデルは、以前の研究結果により、有限温度で特異なボルテックス(Z_2ボルテックス)の対解離に伴うトポロジカル相転移を示すことが示唆されているが、今回新たに、渦度モヂュラスや相関長、相関時間を以前より大きなサイズの系まで直接計算することにより、この系のボルテックス秩序化についてのより詳細な情報を得ることに成功した。特に渦度モヂュラスの解析に基づいて系のボルテックス転移温度を決定し、スピン相関時間が転移温度付近でマイクロ秒を越えること、転移温度以下でも相関長や相関時間は有限にとどまりこの系の低温のトポロジカル秩序相は大きな揺らぎを伴った特異な状態-"スピンゲル状態"-となることを明らかにした。これらの計算結果は、近年のNiGa_2S_4に対するNMRやμSRの測定結果と調和的である。また合わせて、実験系との対応の観点から、第3近接相互作用の効果についても、境界条件を工夫したモンテカルロシミュレーションにより調べ、第3近接相互作用の値によっては系のボルテックス転移が1次転移となることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)