高温超伝導体の強磁場下の電子状態とスピンダイナミクス
Project/Area Number |
18044002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠山 貴巳 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授 (70237056)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 高温超伝導体 / 磁場 / スピンダイナミクス / スペクトル関数 |
Research Abstract |
銅酸化物高温超伝導体は典型的な二次元強相関物質である。ゼロ磁場では強相関のため反強磁性相、超伝導相、電荷秩序相、ストライプ相、擬ギャップ相といった電子相が存在しており、それらの競合・共存が見られる。キャリアドープがある程度進むと基底状態は超伝導相となる。本研究では、競合・共存する電子相が未踏の強磁場のもとでどのような安定相にたどり着くか、またその安定相からのスピンダイナミクスがどのような振る舞いを示すか理論的に解明することを目的としている。銅酸化物高温超伝導体の電子状態は、二次元t-J模型に長距離のホッピングを加えたt-t'-t''-J模型によって記述できる。磁場効果としてスピンに対するゼーマン効果を考える際、ゼロ磁場下でのエネルギー準位構造が重要になる。昨年度、20サイトのt-t't''-J模型に対して数値的厳密対角化計算により得たエネルギー準位構造をもとに、それぞれの準位からのスペクトル関数を計算した。全スピンのz成分(Sz)が有限の空間でのスペクトル関数は滑らかになることが分かった。低温強磁場では有限のSzを持つ状態が基底状態となるので、実験的にも計算結果の確認が期待される。有限のSzの空間のスペクトル関数から得られる動的スピン相関関数の計算は現在実行中である。研究代表者の移動などが重なり本研究期間内に結果が得られなかったのは残念であるが、現在得ている成果を早急に公表したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)