強磁場・多周波数EPRによる整数スピン系金属タンパク質研究の新たな展開
Project/Area Number |
18044005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀 洋 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20127294)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 整数スピン / 電子スピン共鳴 / 多周波数・強磁場EPR / 零磁場分裂定数 / Mn(III)-ポルフィリン置換 Mb / Mn^<3+>-ポルフィリン置換Mb |
Research Abstract |
生理的に重要であり、整数スピン系ヘム鉄(S=2)を持つ還元型Fe(II)ヘムタンパク質のヘム鉄の電子状態はEPR信号が検出されていない為、ほぼ半世紀にわたる研究にも関わらず十分な知見は得られていない。本課題研究では、零磁場から高磁場の広範囲な磁場掃引が可能で様々なエネルギー準位間の遷移観測を可能にする強磁場高感度多周波数EPRシステムを開発することによってS=2t数スピン系タンパク質のEPR信号の検出を可能にした。本研究では還元型Fe(II)ヘムタンパク質の代わりに型Fe(II)ヘム鉄と同じ整数スピンS=2を持つMn(III)-ポルフィリン置換ミオグロビン(Mn(III)Mb)を用いてEPR信号の検出、スペクトル解析を行った。特に33〜130GHz帯では高感度空洞共振器を新規に開発し、測定感度を向上させることによって、巨大タンパク質分子に埋もれた低スピン濃度の金属イオンのEPR測定を可能にすることができた。Mn(III)MbのEPR信号解析より零磁場分裂定数を正確に決定し、詳細なエネルギー準位を決定した。本研究は整数スピン系金属タンパク質についての初めての多周波数・強磁場EPR信号の報告としてJ.InorganicBiochemistryに投稿、受理され、国際的に高い評価を得た。確立した強磁場・多周波数EPR技術を用いて、整数スピンS=1やS=2を持つヘムタンパク質研究への有用性・実用化について検討した。S=2スピン状態のデオキシ型ミオグロビン、ヘモグロビンやS=1スピン状態の西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の過酸化水素反応中間体(CompoundII)を用いてEPR測定を試みた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)