Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
昨年度に引き続き、ラットが自らの身体で反応する場合と、BMIにより身体を介さず特定の神経活動が反応を代行する場合について、すでに開発済みのRASICAとドデカトロードを用い、同じマルチ(多数)ニューロン活動を記録し解析した。まず、ラットの簡単な学習課題として移動式ノーズポーク課題を開発した。この課題は、ラットが反対側の壁に移動しそこにあいた穴に鼻先を入れる課題である。次に、その課題をBMIで行わせるための装置を構築した。すなわち、ラット自身が移動せずにマルチニューロン活動で反対側の壁を移動させる装置である。そして、その装置を用い行動を測定し、マルチニューロン活動の記録を進めた。また、ラットが一定の空間内を自由に移動する際の海馬体のマルチニューロン活動を、同じくRASICAとドデカトロードを組み合わせて記録し解析した。そして、1つのニューロンの細胞体から生起するスパイクと、樹状突起から生起するスパイク(dendritic spike)を分離することに成功した。さらに、ラットが空間内を移動する際、細胞体からのスパイクは特定の場所のみで発火することが多く(場所特異性)、一方樹状突起からのスパイクは場所特異性が低いことがわかった。すなわち海馬の錐体細胞は、樹状突起を介し他のニューロンから受け取る特異性の低い場所情報を、特定の場所をコードする特異性の高い情報に変換していることが示唆された。
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Journal of Robotics and Mechatronics 19
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10020615813
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~ysakurai/