Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Research Abstract |
本研究では体性神経系と自律神経系の代表的運動機能である"歩行運動"と"呼吸運動"の中枢発現機序解明を目指しており,本年度は,歩行運動発現機構のシステム構成原理の解明を目的として研究を進めた。歩行運動の基礎的発現・制御には"脳幹・脊髄系"の3つのサブシステム,即ち(1)歩行駆動信号を脊髄に伝達する脳幹下行投射系,(2)脊髄歩行パターン発生機構(CPGs)、(3)運動に伴って発生する末梢感覚feedbackの3者の連携した働きが重要である。本研究では左右後肢同位相の跳躍運動を基本歩容とするウサギを用いて,上記3つサブシステムの中で,(1)脳幹下行投射系と(3)末梢感覚feedback系が跳躍運動発現に如何なる役割を有するかを明らかにしようとした。このため除脳ウサギ歩行標本を用いて,(1)脳幹〜脊髄内の歩行駆動信号伝達経路の部分切断,(2)歩行運動に伴って発生する末梢感覚feedbackの遮断による跳躍運動発現への影響について検討した。 この結果,研究(1)からは一側中脳歩行誘発野MLRに由来する歩行駆動信号は脊髄を両側性に下行し,各々の側の後肢跳躍運動発現に関わる後肢CPGsの駆動に大きく関わることが示された。さらに研究(2)より,一側脊髄を下行する歩行駆動信号は,弱いながらも反対側脊髄に存在する後肢CPGsを交差性に活動させる可能性も示され,これには脊髄内の交連ニューロンの関与が大きく関わるものと考えられた。しかし両側後肢のCPGs活動を協調させ完全な跳躍運動パターンを発現させるためには,交連ニューロンの活動に加えて,両側脊髄を同期して下行する歩行駆動信号と実際の運動に伴って発生する感覚feedback入力の存在が必須であることが示唆された。
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