ゴルジ体ストレス応答によるトラフィック因子の発現制御
Project/Area Number |
18050013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 秀郎 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60378528)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | ゴルジ体ストレス / 小胞輸送 / リソソーム / 転写制御 / 小胞体ストレス / 細胞小器官 / エンドソーム / ゴルジ体 / ストレス応答 / トラフィック因子 / 糖鎖修飾り / 脂質合成 |
Research Abstract |
細胞内のゴルジ体の存在量は、需要に応じて厳密かつ動的に調節されている。この調節機構をゴルジ体ストレス応答と命名し、その分子機構を解析している。細胞小器官の機能不全が疾患の原因になることはよく知られており、また小胞体の存在量を調節する小胞体ストレス応答が神経変性疾患など疾患と深い関わりがあることから、ゴルジ体ストレス応答の研究によって疾患の予防・診断・治療に役立つ知見を得ることができると期待している。先行研究において、ゴルジ体ストレス応答によって発現が誘導される哺乳類の遺伝子の候補をマイクロアレイ解析によって検索したところ、ゴルジ体の機能に直接関与する遺伝子以外にも、t-SNAREやv-SNARE、sortingnexinなど小胞輸送に関与するトラフィック因子の発現が誘導されることを見いだした。そこで、ゴルジ体ストレス応答によってトラフィック因子の発現が制御される機構を明らかにするため、前年度は、これらの候補の中で特にt-SNARE遺伝子に注目し、その転写誘導を制御するエンハンサー配列を解析した。いまのところエンハンサー配列の同定までは至っていないが、ゴルジ体ストレスによる糖鎖修飾酵素の転写を制御するエンハンサー配列GASEや脂質合成酵素遺伝子の転写を制御するエンハンサー配列MREは、t-SNARE遺伝子のプロモーター上には見られないことから、新規のエンハンサー配列の同定につながるものと期待している。更に、出芽酵母のゴルジ体ストレス応答について同様の解析を開始し、酵母においてもゴルジ体ストレスによってトラフィック因子の発現が誘導されることを見いだした。こちらに関しても、現在プロモーター解析を行っているところである。ゴルジ体ストレス応答の研究を行っているのは今のところ研究代表者だけであり、今後はエンハンサー配列に結合する転写制御因子を同定し、また酵母の遺伝学などを活用することでゴルジ体ストレスのセンサー分子を明らかにすることによって、ゴルジ体ストレス応答によるトラフィック因子の発現調節機構の基本構造を明らかにしたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)