Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Research Abstract |
発生の過程で組織がダイナミックな形態形成運動を行う場合,それに伴って様々な膜蛋白質の局在もダイナミックに変化する。しかし,そのような膜蛋白質の移動を制御するメカニズムはよくわかっていない。私達は,様々な膜蛋白質がダイナミックに輸送されるショウジョウバエの翅形成過程に着目し,その分子メカニズムを解析している。特に,apical側の接着構造の形成に関わるE-cadherinやplanar cell polarityの形成に関わるFlamingo,そして,basal側の接着構造の形成に関わるIntegrinに着目し,様々な小胞輸送関連分子をスクリーニングしたところ,PI3Kinase classIIIと,それによって生成されるPI(3)Pに結合するFYVEdomainを持つ遺伝子が同定された。まず,PI3KinaseのノックダウンでE-cadherin,Flamingo,Integrinの局在を調べたところ,細胞内に異常な蓄積が観察された。ところが,FYVEdomainをもつRbsn-5のノックダウンでは,Integrinの局在に異常は観察できたが,E-cadherinとFlamingoの局在には異常は観察できなかった。この結果は,PI3Kinaseは膜蛋白質一般の輸送に関与しているが,その下流のFYVEdomainをもつ遺伝子において,輸送の選択性が制御されていることを示唆している。さらに,Rbsn-5の機能を解析するために,細胞内の輸送コンパートメントについて調べたところ,興味深いことに,Rbsn-5が局在するbasal側のエンドソームはapical側のエンドソームと比較して著しく大きいことがわかった。また,そのbasal側のエンドソームの形成にRbsn-5が必要であることもわかった。以上の結果より,極性細胞において,apical側とbasal側ではエンドソームが異なることによって,違う制御が可能になっており,それに関わる分子のひとつがRbsn-5であることがわかった。
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